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第94話
それから何度もキスして、時間が経つのも忘れるくらいだったけど、さすがに外だし寒いしで優斗さんのマンションに帰ることになった。
車の中ではほとんど手繋いで、赤信号では人目も気にせずにキスしたりして40分くらいしてマンションについた。
車から降りて部屋に行くまでの間もずっと手繋いで。
早く触れたくてうずうずする。
気持ちが通じた途端に、なんかすっげえ好きっていう感情が加速してるっていうか、なんていうか。
まともな恋愛したことなかったからテンパりすぎてんのか浮ついてんのか――正直ヤバイ。
つーか、絶対部屋入ったとたんに優斗さん押し倒しそうな予感がする。
でも手繋いでるだけでめちゃくちゃドキドキしまくってんだけど。
そんなんで押し倒せるのか――……って、押し倒したところで俺が……。
「捺くん?」
トリップしてたらしい俺の顔を優斗さんが覗き込んでくる。
「うわっ」
びっくりして思わず一歩後退したら吹き出されて、でもそんな笑顔にも見惚れて――って、俺やっぱヤバイ……!
「どうかした? さっきから百面相だけど」
「う、ううん、なんでもない」
もう部屋の前で優斗さんは鍵を取り出しながら「そう?」って笑いながらドアを開ける。
うあ、やっべぇ、まじでドキドキしてきた。
とりあえず寝室に……直行するのだろうか。
いやでも優斗さんだし、とりあえずコーヒーとか?
いやでもやっぱラブラブ――で、って考えながら玄関入ってドアが閉まって。
――いつかのデジャブ。
でも、一週間前と違うのは楽しそうに優斗さんが微笑んでて。
そして唇が塞がれた。
ドアに背中を押しつけられた状態で、一気に深く優斗さんの舌が入り込んでくる。
舌すくわれて、甘噛みされるだけであっという間に理性とか思考とかはじけ飛ぶ。
優斗さんの腕にしがみつきながら夢中で優斗さんの舌を追って、絡めた。
「……っ……ん」
なんでこんな気持ちいーんだろ。
キスしながら優斗さんの手が俺の髪を撫でて頬を滑って首筋降りて、下へとおりていく。
身体は隙間ないくらい密着しててバカみたいに激しい心臓の音が伝わってんじゃねーかってちょっと気になる。
だけどそんなもんどうでもいいくらい頭ん中沸騰して全身熱くなって。
「……ここでスる?」
悪戯っぽく笑った優斗さんがほんの少し唇離して囁いてくる。
もうどうしようもなく熱くて、もうどうしようもなく張りつめてる息子に俺は素直に頷いた。
そしたら優斗さんが目を細めて、
「捺くんは可愛いね」
なんて言って俺の手を握った。
「ここでもいいけど、やっぱりベッドに行こう」
「……ん」
正直玄関でもよかったんだけど……って思ったりしたけど、さすがにそんなこと言えねーし、寝室まで1分もかからないんだから我慢して優斗さんについてった。
そんで寝室ついてベッドに押し倒されて、優斗さんが俺に跨ってくる。
ベッドのスプリングの軋む音とか、ふとんの柔らかさとか、薄暗い室内とかにもともと切れてた理性が全部消えてく。
我慢できなくて優斗さんに手を伸ばしてその首に手を回して俺からキスした。
優斗さんの咥内に舌入れて這わせてたらシャツの中に手が入ってきて肌を撫でられる。
暖かい手が胸の突起に触れて弄ってきて身体が跳ねる。
「……ん……っは」
突起ひっかくように抓られて痺れるような快感が広がるけど、キスはやめたくなくって離れるたびにまた俺から舌を絡めていった。
快感のデカさはそりゃ違うけど、身体繋げるのと同じくらいキスって気持ちいいと思う。
「……キス、好き?」
お互い息が熱っぽく荒くなるくらいキスばっかして、優斗さんの手に愛撫されてたら優斗さんが掠れた声で聞いてきた。
「……俺……かなり……キス魔」
ぼそって呟くと、優斗さんが可笑しそうに笑いながら触れるだけのキスしてくる。
「俺も好きだよ、捺くんとするキス」
そう言って優斗さんは俺の咥内を犯す。
胸を弄ってた手は肌に沿ったまま下半身へと降りていく。
パンツに指がかかるのを感じてドキドキバクバクってヤバイ!
もう何回だってヤってんのにいまさら緊張しまくってた。
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