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番外編第12話

 ぐりぐりと硬いものがイイところを擦りあげてくる。  あんまり激しくなくって最初は確かめるような動きだった。  後孔から腰から疼くような痺れるような快感が広がってくる。  一度欲を吐きだしたはずなのに俺の息子はまたガチガチに勃ちあがって涎を垂らしまくってた。 「ンン……ッ」  顔の横に優斗さんが挟むように手をついていて俺を見下ろしてる。  まだちょっと余裕はあるけど、いつもの穏やかさはなりを潜めてたぎった欲情が俺に向けられてて、それがすっげぇ興奮する。  焦らすような腰の動きが物足りなくて優斗さんの腰に足を絡めて少し揺すると苦笑された。 「足りない?」  口の中に指が入ってくる。  それを咥えて舐めながら頷くと、ふっと笑った優斗さんが律動のスピードを速めてきた。  ぐちぐちとナカがかき回されて突き動かされて、たまに長いストロークで優斗さんのがギリギリまで出ていったりすると喪失に疼いて、奥まで一気に突かれて身体が大きく震えて目の前が白む。 「……は……っ…ン……ぁっ、んん」  もっと密着したくて優斗さんに手を伸ばしたら抱き締められて、強く腰を打ちつけられる。  いつもと違って洋服着たままだから俺の息子が肌じゃなくって洋服に擦れて変な感じだし、汚れるって思うけど、でもやっぱ気持ちよさのほうが勝つ。 「ッあ、……やめ……ん」  俺の胸に吸いついてきた優斗さんに背中がのけぞる。  前立腺抉って奥突かれて胸をしゃぶられて、またイキそうなくらい頭ん中が溶けかけてた。 「ゆ……とさん…っ……」  気持ちイイ、って喘ぎながら言うと一層激しく揺さぶられてマジであっというまに達しそうになる。  だんだん優斗さんの息も荒くなってきてて熱い呼吸が俺に落ちてくる。  肌がぶつかる音が響くほど激しい打ち付けに優斗さんにしがみついてたら、急に動きが止まった。  ぼうっと優斗さんを見ると、抱き起こされる。  対面座位になって、優斗さんはソファにもたれかかって俺の腰を揺らしだした。 「……捺くん」 「……ッ……ん……な……に」  優斗さんの舌が俺の唇を舐めてくる。  だから俺も舌を伸ばして絡め合わせた。  唾液を渡らせて、唇が離れてく。  してもしたりない感じで俺からまた触れようとしたら、また「捺くん」って呼ばれた。  律動は少しペースダウンしてて俺は首を傾げて優斗さんを見つめる。 「ホテルで会ったとき、なんで俺が捺くんだってわかったか……もうひとつ理由あったんだけど、知りたい?」 「……え……? なに?」  もの足りねーから自分で腰を動かしながら聞いてみた。  優斗さんは俺のウィッグで長い髪に触れてキスを落として言った。 「パーティ会場から出てきたものすごく可愛い女の子に一目惚れしたから」  ――……一目惚れ………?  え、と――。  いまいちわかんねーでぽかんとして、「俺?」って聞き返した。  優斗さんは笑いながら、でもすっげぇ優しい目で俺の目を覗き込む。 「そう。一目ぼれした瞬間直感で捺くんだって気がした。男でも女でも――俺は捺くんを好きになるんだって思ったから、かな」 「――」 「いま、締まったね」  繋がった部分の縁を優斗さんが指でなぞってくる。  その感触にぞくりとしながら――……俺は顔が真っ赤になるのを自覚してた。  っていうか!!! 「……優斗さん……、ありえねーっつーの」 「なにが?」  可笑しそうに笑う優斗さんの首にしがみつく。 「……だって、んな……こと」 「本当のことだよ」  クスクス笑う声が耳元で響いて、ますます俺は顔が身体が熱くなるのを感じた。  そしてまた緩く、だけど奥を小刻みに突くように優斗さんが動き出す。  息子もまた弄られはじめて、忘れていた絶頂感にあっという間に飲みこまれる。  だけど快感だけじゃなくって……それとは別にふわふわしたような、ずくずくしたような、むず痒いような、よくわかんねーけど心が疼く。 「……ンっ、ふ……ぁ」  目の前にいる優斗さんをじーっとていうか、言葉が出てこなくて見つめてたら唇を塞がれる。  じゃれあうように舌を交わらせて、追いかけて甘噛みしてみて、吸い上げた。そしたらすぐに同じようにし返される。 「ゆうと……さん……、……っ」  前扱かれて後突きあげられてキスされて。  限界がこないはずがない。  射精感と、そしてそれとはまた違うイク感覚。それもすっげぇでかい波がキてるのを感じながら優斗さんの耳元に口を寄せた。 「………ゆーとさん、だいすき……ッン!」  ぼそりと呟いた途端、優斗さんのものの質量が増すのを感じた。 「煽るね」 「……ちが……ッ、ひゃ……ん、っあ、も、イ……ッ」  苦笑混じりな、余裕がなくなったっぽい優斗さんが俺の耳を仕返しって感じで甘噛みしてきて。  そしてまたまた押し倒されてソファが軋むほど激しく突きあげられた。 「あ……あ…っ……んン…ッ!」  もう限界も限界だった俺は全身を痙攣させてドライでイって、優斗さんの手でもイって白濁を吐き出して。 「……ッ……く」  それから少ししてヒクつく俺の中に優斗さんも熱い欲を吐きだした。 「あーっ、スッキリしたー!」  ジャグジーで泡ぶろして、風呂でもまったり過ごしてリビングに戻ってきた。  ジュース一気飲みしながらヤったソファとは別の中央よりのソファに腰を下ろす。  もう風呂も入ったからウィッグも外してメイクも綺麗に落としてバスローブ姿。 「お疲れさま」  可笑しそうに笑いながら優斗さんがビール片手に俺の隣に座った。 「でも女装姿も可愛かったよ、本当に」  お風呂の中でも何回か言われた言葉に俺は口を尖らせる。 「優斗さんは女の子の俺のがいーの?」  どっちでも好き、みたいなことは言ってくれたけどどうなのかなぁなんて拗ねたふりして見つめてみた。  優斗さんは首を傾げて小さく笑うと俺を引き寄せて膝の上に乗せた。 「俺は"捺くん"がいい」 「は……?」 「捺くんが女の子の格好していたからすっごく可愛かっただけで、俺はこうしていられたら幸せだよ」 「………」  めちゃくちゃ本心です、みたいな笑顔で言われたらもうなんにも言い返せねーし。 「顔赤いよ?」 「気のせいだよっ」  顔を逸らそうとしたけど顎をすくわれてキスされた。  風呂上がりだからお互いからシャンプーとかボディソープのいい匂いがする。  匂いをかぐようにキスのあと優斗さんの首筋に顔を刷りよせた。 「捺くん」 「んん?」 「あんまり密着するとまたシたくなるんだけど?」  笑いを含んだ声に視線だけを上げる。 「別にいいけど……」  ソファで1回して、お風呂でちょっといちゃついたけど、夜はまだまだだし。 「うん、そうなんだけど。そのまえに―――はい」  どこに隠してたのか俺から少し離れた優斗さんがラッピングされた箱を渡してきた。 「メリークリスマス」 「へ、あ! ありがとう」  貰ってそういやプレゼントって気づく。 「ちょっと待って、俺も!」  慌てて荷物の中からプレゼントとってきて渡した。 「いいの?」 「うん」 「ありがとう。開けていい?」 「いいよ。俺も開けていい?」 「どうぞ」  お互いラッピングをといて中身を見た。  俺はベタだけどネクタイとタイピンを用意してた。 「うわっ! 俺新しいの欲しかったんだ!!!」  そして優斗さんがくれたのは財布。  結構ぼろくなってきてたから買い換えようと思ってたところだったからめちゃくちゃ嬉しい。 「大切に使うね!」 「うん、俺も大事に使わせてもらうよ」  ちょっと奮発して買ったブランドもののネクタイ。  薄いブルー系のネクタイは優斗さんに似合いそうでホッとした。 「ありがとう」  また優斗さんが言ってくれて、またっていうかもう何回目なんだろうって数えるだけ無駄なキス。 「じゃあ、さっきの続きする?」  悪戯に優斗さんが笑う。  その手が俺の腰あたりを撫でてきて、俺も笑って抱きついた。 「する!」  バカって言われてもいい。  俺も、優斗さんだから好きだし、優斗さんとだから何回だってヤれるし、ずっと離れたくねーし。  優しく微笑む優斗さんに見惚れて俺からキスして。  そうして俺達のクリスマスの夜はどんどん更けていったのだった。 おわり。

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