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第6話(スティーブ)
WIAの通信機は便利だ。
スマホサイズで、防弾、防水仕様。
衛星通信、暗号通信、無線にも対応。
録音録画は勿論、USB各種端末に接続可能。腕に付けている特殊電子時計とも連動している。
他にも爆発物の起爆スイッチにもなり、万が一の紛失では自爆データ消去も出来る。
スティーブは、通信機からコードネーム•レッドファイヤーへ電話をかけた。
「レッド、君の助けが必要だ」
「どうした?!無事か?今どこだ?座標を送れ!すぐに戦闘機をスタンバイさせる!5分で駆けつける!」
レッドは捲し立てる。
「違うんだ、任務じゃない。ニューヨークでおススメのレストランを紹介して欲しいんだ。今日は初デートなんだ」
「、、、、、、おい、おい、嘘だろ
堅物なエージェント•ワイルドがデート?最優先任務じゃないか?ターゲットは誰だ?!
どんな美女だよお前を落としたのは!」
「あー、、、美女じゃないんだ、男性なんだデートの相手は」
「、、、、、、おい、おい、マジか
そりゃぁ、どんな美女にも靡かない訳だ。お前ゲイだったのかよ?」
「自分でもゲイなのか確証は無いんだよ。ただ今まで女性にも男性にも興味が無かったのは事実だよ」
「ok!ok!お前の初恋なんて一大事だぞ!じゃあ俺がとっておきの店を予約しておく!時間は?」
「19時に待ち合わせてる」
「じゃあ19時30分に予約しておくから、場所や詳細は通信機へ位置情報と一緒に送っておく!」
「ありがとう」
恋愛に関しては百戦錬磨のレッドが勧める店なら、安心だろう。
レッドは大きな瞳と少年ぽさが残る美青年だ。
肩まである赤い髪に細身の長身。
年中女が放って置かない。
今日は初デートだ。
素敵な夜にしたい。
プライベートな彼ももっと知りたい。
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