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第21話(マイク)

黒塗りフルスモークのセダンで自宅へ送り届けられた。 正直、家に到着するまでやっぱり殺されたりしないだろうかとヒヤヒヤした。 ちなみに、送り届けてくれたのはエージェント•ハワードだった。 少し垂れた目の50代、オールバックにしたブラウンの髪には少し白髪が混じっている。 特にマッチョでもないし、そこら辺に居そうな優しそうな見た目をしたおじさんって感じだけど、、、 なんか、掴み所が無い。 「送って頂きありがとうございました、ハワードさん」 「これも仕事ですので。では、私はこれで」 エージェント•ハワードの車を見送ると、ドッと疲れた。 めちゃくちゃ疲れた。 「1日が長過ぎ。夢か映画でも見た気分だよ」 ドアを閉めて鍵をかけてから、一人呟いた。 スティーブは、後で説明すると言っていた。 ずっと仕事で海外へ行き来すると聞いていた。 商社か何かかと思っていたが、まさかWIAのエージェントとは。 ずっと感じていた彼との壁は、きっと色々な秘密と関係があるのだろう。 彼を知りたいと思う。 幸いな事に、彼は俺へ打ち明けるつもりがあるようだ。 知りたい。彼との絆や深い関わりが欲しい。 今までの約1年程の花屋の店員と客という浅い関わり方では我慢出来なくなっている。 彼を求めている自分を自覚する。 マイクは気分を落ち着かせようとシャワーを浴びてリラックス出来るハーブティーを煎れた。 その時、ドアのチャイムが鳴る。 「はい」 ドアの覗き穴から来訪者を確認するとスティーブだった。 慌ててドアを開ける。

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