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第24話(スティーブ)
こんな風に感情が昂ったのは初めてだと思う。
マイクとの関係をゆっくり深めたいと思っていたはずが、玄関でのキスで始まり、彼のベッドまで雪崩れ込んでいる。
ずっと触れてみたいと思っていた薄くて少し赤い唇。
甘い吐息。
スティーブは理性が吹き飛ばないよう意識する。
ベッドルームは入り口からすぐ左手のドアだった。
「こっち」
マイクが軽く手を引く。
ブルーのシーツのベッドにマイクを押し倒す。
日当たりの良さそうな寝室にはダブルベッドと観葉植物にクローゼットがあるだけのシンプルな部屋だ。
マイクがベッドライトを付ける。
灯に照らされると、さっきまで興奮しついたマイクが少しだけ怯えた表情に見えた。
マイクは異性愛者だ。男性とのセックスの経験は無いはずだ。
「無理な事はしないよ。君を傷付けたりしない」
スティーブは精液で汚れたグレーのシンプルなシャツをたくし上げ脱いだ。
マイクも恐る恐る、部屋着のパーカーを脱ぐ。
彼は自分をよく平凡な男だと言うが、僕にとって彼は男らしさ、優しさ、愁いのある表情、明るい性格が混雑した魅力的な男だと思っている。
マイクのきめ細やかな肌に手を這わせ首元に顔を埋めた。
自分の心臓の音が大きくなるのが分かる。
「マイク、もっと見せて。君の全部」
スティーブはマイクのズボンと下着を下ろす
。
彼のバランスの取れた身体は、魅力的だ。
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