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第28話(スティーブ)
スティーブはシャワーを借りるとマイクが用意した服を着た。
借りたスウェットと黒いTシャツは少し小さい。胸元のロゴが伸びてしまっている。
玄関から右手にあるリビングルームに行くと爽やかな薬草のハーブティーの香りがした。
「ハーブティー飲む?」
「ありがとう」
2人はハーブティーを片手にリビングのソファーに座る。
スティーブはマイクの方へ向き直る。
神妙な面持ちで話し始めた。
「マイク、君には真実を話したいと思っているんだ。でも、全てを話す事で君を危険に晒してしまうかもしれない」
自分の家族に全てを秘密にして働いているエージェントもいる。
家族にさえ偽名を使い、WIAの用意したペーパーカンパニーを使い仕事も偽る。
家族を危険に晒さない為だ。
スティーブも何ヶ月も悩んでいた事だった。
自分のエゴでマイクを危険に晒して良いのか?
ただ、スティーブは知っていた。
嘘で塗り固められた世界は小さなヒビで簡単に崩壊してしまう事を。
あっけない程簡単に壊れてしまう。
「スティーブの事をちゃんと知りたい。俺は真実を話して欲しい」
「マイク、ありがとう。
僕は、、、
人造人間なんだ。普通の人間のように親から、、、人間から生まれていない。
遺伝子操作で作られた試験管ベイビーなんだ」
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