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第33話(マイク)
近くへ車を停めて、スティーブと一緒に帰宅する。
荷物を置いて2人はリビングのソファーに座る。
「明日から任務でワシントンへ行くんだ」
「そうなんだ。いつこっちへ戻る?」
「まだ分からない。2〜3日かもしれないし2〜3ヵ月かもしれない」
ちょっと予想はしていた。こんなに早くとは思ってなかったけど。
スティーブはWIAのエージェント。任務があれば、会えない事もあるだろう。
「寂しいけど帰りを待つよ」
俺も男だ。メソメソ言うほど若くもない。
「君との連絡手段を確保しておいた」
スティーブから渡されたのはスマホサイズの黒い電子機器だ。
「WIAの通信機だ。任務中はこっちで連絡出来る。スマホと同じで通話やメッセージのやり取りが出来る。僕の端末だけが登録されていて暗号化された通信だから、いつでも連絡してくれて構わないよ」
スティーブが特別な連絡手段を用意してくれたのは嬉しい。スマホの番号やメールアドレスはデート中にレストランで交換した。
どんどんスティーブとの距離が縮まっている気がする。
「ありがとう!タイミング悪く連絡しないと良いけど」
「あはは、戦闘中でも君からの連絡は最優先だよ」
スティーブの笑うと目尻が下がる表情が好きだ。
思わずスティーブの顎に手を添えてキスをした。
スティーブは不意打ちに一瞬驚いたようだ。
キスだけで身体が熱くなる。
「しばらく会えないのが寂しいよ。君と離れたく無い」
スティーブの情熱的なキスにマイクは蕩けた。
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