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第53話(スティーブ)
目を覚ますと、隣にマイクは居なかった。
「最悪だ」
嫉妬心から自制が効かなかった。
自分の能力はちゃんとコントロール出来ているはずだったのに。
マイクに、酷い事をしてしまった。
弁解の言葉も見つからない。
ベッドサイドに座り冷静になろうとしているとドアが開いた。
ガチャ
「スティーブ、起きたの?」
「マイク、身体は、、、」
「大丈夫!」
「本当にすまない」
「俺も謝らないと。ブライアンとのキスは、、、」
言いかけた所を、手でマイクの口元に触れて制した。
「君の口からブライアンとのキスだなんて言葉聞きたくない。
本当に僕はどうかしてる」
本当に子供じみた嫉妬だ。
月明かりに照らされたマイクは、手首に痣と身体中に付けたキスマークで痛々しく見えた。
こんなにも愛しく、誰よりも大切にしたい人なのに。
「スティーブ、俺は本当に大丈夫だから」
マイクの唇がそっと僕の唇に触れた。
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