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第57話(スティーブ)

ブリーフィングが終わりそれぞれ準備にかかる。 「ブライアン」 僕はブライアンを呼び止めた。 「今はWIAに関係する全ての場所が危険だ。 作戦中、この家を自由に使ってくれて構わない」 「助かるよ。ボロいモーテルを転々とするより良いからな」 「それから マイクには手を出すな」 「何だよ、心配してるのか?」 「マイクに指一本でも触れたら、お前でも許さない。その時は覚悟してくれ」 「俺は何もしないよ。でもマイクが俺に触れたらどうするんだ?」 忍耐力を総動員した。 皆んなの前でブライアンに殴りかかる訳にはいかない。 「それでも、僕は君を許さない」 「ははは、余裕の無い男はフラれるぞ」 ブライアンはいつものようにスティーブを揶揄うと、装備を抱えて外へ出て行った。 その後を追うようにマイクが外へ出て、何かをブライアンと話し戻って来た。 本当に余裕の無い男だ。僕は。

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