62 / 69
第62話(マイク)
「うまい」
ブライアンは豪快にポトフやバケットを平らげてくれた。
「口に合って良かった。コーヒーは?」
「くれ」
この家には本格的なエスプレッソマシーンがある。大学時代にカフェで働いていたからコーヒーを入れるのも得意だ。
「今日はどうだったの?ギャレットとかいう元エージェントを追跡してるんでしょ?」
「ああ、だがギャレットは一流のエージェントだからな。なかなか尻尾を掴ませない。
今日も空振りだ。
ターナーは疎かWIAに関係する人物にもハリスコに関係する人物とも接触無し。
奴は今、バカラホテルのスイートで夢の中だ。護衛まで付けているから安眠できるだろうよ」
「そんな凄いエージェントだったんだ。
なんで裏切ったりしたんだろう、、、」
「さあな」
「ブライアンは、何でWIAを辞めたの?」
「仕事を選びたいからだよ。
WIAに長く居れば、いずれスティーブも分かるだろう。全て任務が最優先の生活だ。
意にそぐわない仕事だってあるが命令は絶対だからな。
俺には任務より大切なものがある」
「任務より大切なもの?」
「ああ。お前だよ」
ともだちにシェアしよう!