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ニンゲン7

「うわぁっ!!」  瞬く間に飛んで来た竜を見て、浮浪者は腰を抜かしました。  突然やって来たことも驚きですが、竜の目が怖いくらいにギラギラ輝いていたからです。  今まで見たことのないような凶暴な瞳に、体が竦みます。  逃げたい。そう思うのに、足がガクガク震えて立つこともままなりません。  竜は浮浪者の下半身に顔を寄せ「グゲッ」と一声鳴きました。  しかしなんと言っているか全くわかりません。 「グゲェッ」  何か伝えたいことがあるようですが、それが一体なんなのか。困った浮浪者は首を傾げることしかできません。  オロオロとしていると、竜が全身から次第に苛立った空気を漂せ始めました。 ――こ、怖いっ……!  浮浪者はもう号泣寸前です。  竜はあからさまに大きなため息をつくと、その爪を浮浪者のズボンに引っかけました。  ビリッと音を立てて破れるズボン。  切れ味のよい爪が下着までをも切り裂いて、竜の眼前に浮浪者のチンポとアナルが晒されます。 「ひぃぃっ!!」  急所を暴かれて慌てふためいた浮浪者は、未だ震える足腰を叱咤してジリジリと後退りします。  が、それを逃がす竜ではありません。  前足で上半身を押さえつけて、今度こそ本当に浮浪者の動きを止めたではありませんか。  恐怖のあまり嗚咽を漏らす浮浪者のチンポに、竜の顔がゆっくりと近付いて……。 ――食われるっ!!  恐怖が最高潮に達した浮浪者がギュッと目を瞑ったと同時に、チンポが温かいものに包まれました。 「……っ!!」  次の瞬間、激しい痛みに襲われて………………と思っていたのに。 「……ふぇっ?」  竜の牙がチンポに突き刺さることはありませんでした。  そればかりか先が二つに割れた舌先をチンポに絡みつかせながら、優しく舐めているではありませんか。  突然迫り上がってくる快感に、ヒュッと浮浪者が息を飲みます。  竜がなぜこんなことをしているのか、皆目見当も付きません。 ――なんで竜さまは、オラのチンポに“オシゴト”してるんだべ!?  竜の行為がセックスの一部であることを、浮浪者は知っていました。  なぜなら彼は日銭を稼ぐため、娼館で下働きをしていたことがあったからです。  もっともあまりにも体力がなさすぎたことと、風呂に入れずいつも全身からほのかな異臭を漂わせていたことから、すぐにクビになってしまったのですが。  それでも短い就労期間で、性の知識はしっかり身に付きました。  だから竜が今行っていることが、娼婦や男娼の言う“オシゴト”の一つであることにすぐ気付いたのです。  チンポを舐められるたび、ゾクゾクと駆け巡る快感。  けれど初めて味わう快楽は浮浪者の脳を蕩かすどころか、ますます恐怖を与えます。 ――こんなの……オラ、知らないっ!!  生まれてこの方、自慰すらしたことのない浮浪者は、暴力的なまでの快感に頭も股間も爆発寸前。  気力を振り絞り腰を振って逃げようと努力するも、それは叶いませんでした。  そればかりか、絶対に逃がさないと意思を持っているかのような舌が、ますます絡みつく始末。  竜の行為が排泄を促すためだと知らない浮浪者は、突然始まったこの行為にヒンヒンと啼くことしかできません。

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