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ニンゲン8
竜に精液を搾り取られてグッタリする浮浪者。
イったばかりのチンポを執拗に舐め擦られて、もう息も絶えだえです。
もう限界、意識が遠退く……と思ったところで、竜がようやく顔を上げました。
心なしか肌艶がよくなったような気がします。黒い鱗がテカテカと光り、その眩しさに浮浪者は目を眇めました。
精液を舐め終えた竜はすぐさま心配そうな顔になり、浮浪者の顔を舐め回しました。
独特の青臭さが漂う舌を受けて思わず顔を顰 めますが、竜はそんなことお構いましにベロベロと舐め続けます。
「も……だいじょぶ、ですだ……」
そう言ってゆっくりと起き上がった浮浪者の姿に、安堵の表情を浮かべる竜。
もしかして、グッタリする浮浪者を治療するつもりで舐めていたのでしょうか。
仮にそうだとしても、別に傷を負ったわけじゃなし、竜の行為は全くの無意味なのですが、当の本人 はまるで気付いていません。
ただ一つ確実なのは……竜は浮浪者に危害を加える気がなさそうだということ。
こんなにも大きいのですから、その気になれば浮浪者など一口で頭から丸飲みできるでしょうに、竜はそれをしませんでした。
それどころか甲斐甲斐しく世話を焼く始末。
もっとも最後のアレだけは、浮浪者の理解の範疇を軽く超えていましたが。
――もしかして、村より森のほうが居心地よさそうな?
竜だけでなく、ほかの獣たちも浮浪者を襲ってきたりしません。
激しい暴力を受けることも、獣に食べられる心配もない幸せ。しかもお腹まで満たされているではありませんか。
縄を打たれて大森林の入り口に捨てられたときは、どうなることかと震えたものですが、今ではむしろ村には帰りたくないという気がしています。
「竜さま……オラをここに置いちゃくれませんか」
懇願すると、竜はコックリと頷きました。
やはり竜には、浮浪者の言葉がわかるようです。
それだけに、自分が竜の言葉を理解できないのが残念でなりません。
――でもまぁ、そのうち通じ合える日が来るかもしれねぇ。
その願いは後日別の形で叶うのですが、そのことを浮浪者が知るわけもなく。
――そいじゃあ、寝床でも探すべかね。
昨日は強制的に毛皮布団で寝かされましたが、今後も毛皮があるとは限りません。第一、敷布団が熊というのは恐ろしすぎます。
森の中にうち捨てられた小屋や洞窟などがないか、探すことに決めたのです。
「あっ、でもその前に」
浮浪者は狼が持ってきた袋を開けました。
先ほど竜の爪によって切り裂かれたズボンは、もう二度と穿けないでしょう。森には針も糸もないのですから。
袋の中に換えのズボンがあれば……そう思ったのです。
果たして中には予備の衣服が入っていたので、浮浪者は心置きなくズボンに足を通しました。
そして、袋の奥底に入っていた物を見て、浮浪者は「わぁっ!」と歓喜の声を上げたのです。
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