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第26話 片思いのままのセックス2
咲の体は男を受け入れるのが初めてではなかった。
誰かに何度も愛され、快楽を覚えさせられた体は、しなやかに俺の雄を絡み取る。
「あっ……やだっ……そこ……ああっ……」
大きく体をのけ反らせて善がる様子に、狂おしい嫉妬と恋情が押し寄せる。
「咲……咲……」
何度も最奥を突き上げ、けれども俺は咲をイかせはしなかった。
咲の性器の根元を指で締め付け、射精できなくした。
そうすることで今、咲を抱いているのは自分だと知らしめたかった。嫉妬に狂ったただのみっともない男だと分かっていても、咲の心にいる他の男の存在が許せなくて。
普段の表情のない姿からは想像できないくらい咲は乱れに乱れた。
「嫌だ……も、イきたい……イかせて……」
「まだだめ……咲……」
繋がった体を折り曲げ、咲の耳朶を甘噛みしながら腰を動かす。
「ああっ、も、許して……社長……」
「……イきたい? 咲」
小刻みに中を突き上げながら囁くと、咲は何度も何度もうなずいた。
「じゃ、俺のこと愛してるって言って……」
俺は咲に言葉を強請った。
女性遍歴は少なくなく……というか、おそらくは多い方で、いつも自分の方が一方的に思われるばかりで、決して恋愛ごとに溺れたことなんてなかったのに。
どこまで俺はみっともない男になり果てるんだろうと自嘲しながらも、咲からのその言葉が欲しくてたまらない。
「……社長……」
大きな瞳からまた新たな涙が零れる。
「言って、咲。……嘘でもいいから」
「社長……」
咲の端整な顔が刹那苦し気に歪んだが、快楽を追い求める本能が勝ったのだろう、形のいい唇がその言葉を紡ぐ。
「……愛してます……社長……っ、ああっ……」
咲の性器を解放すると同時に前立腺を凶器のような雄で思い切り突き上げると、彼は体を痙攣させて高みへと昇りつめた。
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