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第48話 招かれざる客2

 キッチンで準備中の料理を見ると、片方の口角を上げて嫌味っぽく笑った。 「俺のための料理……のはずないか。椎名のために作ってやってるのか?」 「…………いったい何の用?」  健志郎さんの言葉を無視して俺が問いかけると、いきなり抱きしめられた。 「ちょっ……やめてくださいっ……」 「咲、好きなんだ。俺はおまえのこと忘れたことなんかなかった。もう一度俺の元に帰って来てくれ」 「あなたは妹の夫で、子供までいるでしょう?」 「ああ。そうだよ。確かに桜のことも子供のことも大切に思ってる。けど、咲、おまえのことも好きなんだ」 「そんな勝手なこと……」 「咲」  健志郎さんが強引に口づけて来た。  俺は渾身の力で顔を背けて、彼から逃げようとした。 「やめろってば……!」  上背は少ししか変わらないが、体つきは健志郎さんの方が数段しっかりしている。力では敵わない。  健志郎さんは俺の体を抱き上げると、奥の部屋へと通じるドアを蹴り開け、ソファの上に俺を投げ出した。 「何を……」 「咲、やり直したいんだ。おまえと」  健志郎さんは言うと着ているジャケットを脱ぎ捨て、俺の上に伸し掛かってくる。 「……なあ、咲。椎名に抱かれたのか? 俺以外の男に……許さない……」 「やめ……」  抵抗するも敵わず、健志郎さんにパーカーを脱がされてしまい、両手首をネクタイで拘束される。  隙ができれば蹴飛ばしてやろうと思っていたが、健志郎さんは無駄のない動きで俺のジーンズを下着ごと剥ぎとってしまった。

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