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第49話 凌辱

 素足の間に健志郎さんが自分の体を滑り込ませてきて、完全に抵抗を封じ込まれた。  スーツ姿以外を見たがっていた社長のために選んだ一番のお気に入りのパーカーとジーンズだったのに……。  組み敷かれているのに、俺の頭のどこかは冷静で、そんなことを考えていた。  健志郎さんの舌が俺の体中を這いまわるのをぼんやりとした頭で受け止める。  胸の突起を舐められ、性器を手で擦られる。  しかし、俺のそこは全く反応しなかった。 「咲……咲……」  ただ健志郎さんだけが繰り返し俺の名前を呼びながら、体中に愛撫を施す。  そして、性急な所作でズボンの前をくつろげると、俺の脚を抱え上げ、大きく育った雄を挿入して来た。 「――――っ……」  全く潤っていないそこを熱くて硬い塊に貫かれ、瞬間息もできないような苦痛が襲う。  しかし、それだけだった。  どれだけ激しく前立腺を突かれても、体を揺さぶられても、俺は快感は勿論、もう痛みさえも感じない。  それでも健志郎さんは俺の上で必死に腰を振っている。 「……楽しい……?」 「……あ? 何……?」  息を弾ませて健志郎さんが俺を見下ろして来る。 「こんな抜け殻のような俺を抱いて」 「……っ……」  健志郎さんが責め立てるように一際強く俺の中をえぐり突き上げて来た。  一瞬だけ痛みを感じたが、やはりあとはもう何も感じない。

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