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第7話
ワイシャツもカーディガンも、すぐに前が開けてしまってなんとも心許ない。
だって、ボタンの隙間から節だった指が素肌に触れている。
長岡の手は冷たくて触られていると強く意識してしまい、まともに顔が見られない。
あまりの恥ずかしさに腕で顔を隠したがすぐに外されてしまった。
覆っても長岡に邪魔されてしまう。
こんな変な顔を見られるのも恥ずかしいのに。
「はずかし、です…っ」
「その顔すげぇ興奮する」
筋肉が着いているのに細い腕で邪魔され、あさましい顔を晒してしまい三条はせめてもの抵抗に顔を背けた。
だが、そんなの小さな抵抗に過ぎない。
無防備な首元はがら空きだ。
チュゥ…ッ
耳の後ろに吸い付かれ、びくっと肩が跳ねる。
長岡の事だから痕は付けていないだろうが、それでも普段触れられる事のない場所に感じるやわらかな肉と肌を擽る髪の感触。
それと同時に首元が楽になった。
「ぁ…」
ネクタイが外され床に放られる。
「いいねぇ。
犯してるみてぇ」
「なに、言って…」
身を捩っても長岡に乗り上げられ身体を返す事すら出来ない。
ただ、返そうとすると……下半身が刺激されて……。
これ、やば……
擦れる…
「遥登」
男の声だ。
絶対者の声。
「ケツの下になんか、かてぇのあんだけどなんだろうな?」
「…っ」
「なぁ、コレ、なんだろなぁ」
長岡の局部に触れるのは明らかに陰茎だ。
しかも緩く頭を擡げてきている。
自分の上でコレと腰を揺する長岡は扇情的で、思わず突っ込まれる方で良かったとさえ思った。
だって…こんなえっちぃ姿見たらすぐ出し気しかしない。
言えないと頭を振ると長岡の笑みが深くなる。
けれど、長岡を見る事の出来ない三条は知る由もない。
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