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第31話

腕に触れていたあたたかい手をとり、シーツに縫い付けた。 三条も控え目ではあるが唇が離れる瞬間に追ってくる。 このままそういう雰囲気に持っていっても大丈夫だろう。 ゆっくりと指を絡め合う。 「…息……出来ません…」 「下手くそで良いよな」 シーツに散らばる髪の毛がいやに鮮明で艶やかだ。 清潔なシーツに清潔な髪が散らばっただけなのに、こんなにいやらしくなるなんて雰囲気とは重要なものだと思い知る。 柏や蓬にするように顎の下をなでれば、繋がれた手がぴくりと動いた。 こんな事で一々感じる敏感な身体に少しずつスイッチを入れていくのは楽しい。 「口、開けな」 「…ぁ」 今度のキスは舌をくっ付ける、遥登曰くえっちぃやつ。 なんだかんだ言いながらも理性より男の性欲と好奇心が勝ち淫らな行為に溺れる。 その証拠に三条の舌が舌先を掠めた。 そういうとこがえろいんだよな 「…ぅ、ん……っ…」 舌を伝って三条の口腔内に唾液が移動する。 どうする事も出来ない三条は飲み込むしかない。 鼻にかかった声を漏らしながら喉仏を上下させた。 それでも三条の呼吸の為に唇を少し離す以外はずっと口をくっ付けている。 離すなんて勿体ない。 でも、息の仕方が分からないのはたまらなく興奮するからそれだけは教えてやらないと決めている。 「ん…、ん……」 身体の位置をそれとなくずらし、細い脚の間にそれを割り込ませた。 キスに夢中の三条はこれからされる事を考える余裕なんてないらしく抵抗はない。 意識がキスにいったままの方が都合が良いので、ついでとばかりに舌を軽く食んだ。 この年下の恋人が可愛くて愛おしくてとまらない。 角度を変えると、離れたくない唇が追い掛けてきた。 あー… くっそ可愛い… 少しだけ悪戯心が芽を出した。 すり…と股間を脚で刺激すれば、繋いだ手に力が入る。 男の力でぎゅぅっと握られつい笑みが浮かぶ。 「ま…っ、」 息継ぎの合間に声をあげた。 待てなんて出来る程お利口じゃねぇ。 折角良い雰囲気になってきたのだから三条のスイッチを入れてとろっとろにしたい。 更に太股ですりすりと刺激すると、とうとう細い太股が脚を挟んできた。 「んー? どうした」 「……た…勃っちゃうから…」 「勃っても良いじゃねぇか。 俺とするの、いやか?」 「意地が悪いです…」 かぁっと頬を赤らめ目を逸らす三条の無防備な首筋にちゅぅっと吸い付いた。 服から見える箇所にキスマークなんて着けない。 軽く吸い付くだけだ。 それでも、三条は初々しい反応をし男心を擽る。 「言ってくれねぇと分かんねぇよ」 繋いだままの手を握り、頬にもキスをする。 漸く此方を見た目はとても綺麗だ。 「………好き、です」 「良かった。 俺も遥登とすんのすげぇ好き」

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