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第59話
後ろでくつくつ笑う恋人が格好良くてたまらないから、興奮してしまう。
だって、こんなに格好良い人がケツを使ってセックスをするだなんて今でも信じられない。
それに、男のケツだ。
必要な肉もない貧相なケツ。
そんな不粋な箇所を使って長岡は気持ち良くなってくれる。
射精してくれる。
無理矢理だって凸と凸が合わさる事の気持ち良さを教えてくれた恋人と交わえるなんて。
「…だ…て、…だって……」
「だって?」
「……だって、正宗さんと、できて…うれし、から。
ここにはいれたの、も、うれし……」
画面の中の恋人を見詰めながら紡いだ言葉は、小学生みたいな感情優位のものだった。
それでも、長岡の目から溢れる程に注がれる愛情に、そんな感想でもそれが心の底から思う事実なら良いんだと思う。
例え長岡先生のテストでバツを食らったって、恋人は花丸をくれる。
「俺も、遥登と出来て嬉しいよ。
すっげぇ嬉しい」
ゆさゆさと律動が再開され、続きを吐き出す事は敵わなかった。
それでも、長岡ならきっと分かってくれていると根拠のない自信がある。
だって長岡だ。
「あ……あっ、」
「あー、興奮してきた」
身長に似合った凶悪なサイズの陰茎は更に堅さを増した様にも思える。
ぎゅーぎゅー締め付けたせいか僅かに眉を動かしたが、それでもその動きは緩まない。
カリがいつもと違なる箇所を刺激し、腰が揺れてしまうのを止められない。
「まっ、…まさ、……ぁ、っあ、」
がっしりと腰を掴まれ動かす事が出来ない。
そこでやっと自分が腰を揺らしていたのを自覚した。
はしたない自分に羞恥心が沸き上がる。
「ん、ぶっ」
いきなり口の中に指が入ってきて思わず噛みそうになるのを堪えたが、変な声が出てしまった。
下を向いてた視線を直されカメラの正面を向かされる。
舌を指でなぶられ飲み込めきれない唾液が節だった指を汚していく。
それが目的の様に上顎をごりごりとしてくる辺り長岡もスイッチが入ってきているのだろう。
とろんとした目で己を見詰める自分とその後ろで肉食動物みたいな目をした恋人が大きく映る。
「見てろっていったろ。
俺の事、見えねぇと嫌っつったのは、遥登」
「あ゙…ア゙……」
腰を回されあまりのいやらしさに目が眩みそうだ。
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