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第93話
チラリと隣を見上げると、綺麗な横顔が同じように浴室内を覗いている。
変態的なところを隠せば、優しくて愛情に満ちた人だ。
しかも、顔が国宝レベルで良い。
申し分ないどころか、自分なんとでは釣り合わないとすら思うほどの顔面偏差値の高さ。
見合った身体もバキバキだ。
そんな人に抱かれる嬉しさはある。
あるが、なにせ変態なんだ。
あと絶倫。
「入ろうぜ。
このサイズだとどんぐらいで湯、溜まんだろうな。
ま、気長にダラダラして待ってようぜ」
「はい、」
サッと手洗いうがいを済ませると、そのままベッドの上でゴロゴロとテレビを観る。
今のホテルはサブスクリプションにも加入しているのか、ドラマが見放題。
これは、湯が溜まるまで簡単に時間を過ごせる。
場所のことなど忘れてドラマに齧り付いた。
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