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第94話
「温度、熱くねぇか?」
「だ、大丈夫です...」
背後にいる長岡に触れないように膝を抱えて小さくなりながら、身体を隠す。
貧相な身体を晒すのが恥ずかしい。
浮いた肋も、棒切れみたいな手足も、細過ぎて気持ち悪い。
それらを隠したいのもある。
それに、長岡はこんな身体に発情してくれる。
それがとてつもなく恥ずかしい。
既に全身洗われておいて今更感もあるが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
それどころか、先程、身洗の為に触れられた箇所がアツい。
耳の後ろや、指の股、際どいトコロだけではな く、局部まで丁寧に洗われた。
それだけで身体はセックスを期待しうずく。
いまだ熱を孕んでいるような感覚がある。
火傷をした時のようなジクジクした感覚。
髪の房から雫が落ちた。
その水音がやけに大きく聴こえるほどドキドキしている。
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