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 鷲掴んだ腰を思いっ切り引き寄せて、同時に腰を使って奥を穿つ。腰骨がぶつかり痛むほど強く。二度、三度と最奥を打ち付けると、男の口から濁った嬌声が迸る。 「お゛ォ゛ッ♡♡お゛、あ゛ああ゛っ♡♡♡♡」 「ッ、すげェ、吸い付いてくる…っ、なんだこれ、子宮口っ?」 「あ゛ッ、ア゛…お゛ぉお゛ッ♡♡■■■■、ひィ゛、■■■~~!!♡♡♡」  叩きつける度にちゅうちゅう亀頭に吸い付いてくる、腹奥の器官。男の体に備わっている筈も無いのに、煮立った頭じゃ子宮口としか思えなくて、獣じみた興奮に俺は笑う。  泣き喚く男の言葉は相変わらず聞き取れないが、もうどうだってよかった。男の頭上で揺れてる兎耳も、指先に当たる尻尾も、どうでもいい。  言葉が通じなくてもセックスは出来るし、体の仕組みなんて解らなくても気持ち良くなれる。そんな当たり前のことを思い知る。  何度も乱暴に突いて、揺さぶって、精液と愛液が混ざった粘液をぐちゃぐちゃ掻き混ぜては泡立てる。出し入れの度に深く奥へ抉り込むと、やがて亀頭がぐぽっと入口をぶち抜いた。 「ヒ、―――~~~…ッ!!?♡♡♡♡」 「ぉ…っぐ、締めすぎ……ぶぎゅっ」  音にならない嬌声を上げて、褐色の体がぐんとしなる。また射精さずに達したらしい。そして、そのままぐったり倒れこんできた男の、分厚い胸筋に顔面を押し潰される俺。息苦しいがそれよりも。 「むぐ……ぷはっ!なにこれ柔らかっ、おっぱいじゃん…乳首たってるし」  見た目以上の柔らかさに驚いた。顔をずらしてどうにか息を確保しつつ、隙間に片手を突っ込んで思わず揉む。むにゅ、むにょん、と指が沈み込む柔らかさと弾力が心地好い。ついでに指に当たるこりこりした突起を抓んでみる。 「んひィ゛っ!♡♡♡」 「っん!…ハハ、おっぱいでイったの?変態」 「ァ゛…お゛、…っ♡♡」  ぎゅうぎゅう締め付ける体内の動きで分かる。視線を上げれば、涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃの顔した男。舌を突き出して喘ぐ顔が可愛い、とか、素面だったら絶対思わないだろうに。  男の頭を抱き寄せて唇を食らう。潮辛い。咥内まで潜り込み、分厚い舌を絡め取ったら、腹上に伸びた男の体がびくびく震えた。 「ん゛んン…ッ!♡♡ふ、ゥ゛う゛……、っ♡♡♡」  俺は瞼を開けたまま、目の前の金色が蕩けていく様をじっと見る。満月色から甘ったるい蜂蜜みたいになった瞳が一瞬だけ、俺にひたりと焦点を合わせたような気がした。 「んっ…ぐ、ぅ!」 「ぅぅウ゛っ、ぅ――~~~……!!♡♡♡♡」  目の前が真っ白に染まり、どくんと全身が脈打つ。溜まった熱が弾け、出口を目指して噴き出す瞬間、体ごと融けるような快楽に包まれた。  がくがく腰を振っては子宮に精子をぶちまける。種付けされてまたイったのか、蕩けた肉襞が搾り取るみたいに蠢くおかげで、いつまで経っても収まらない。精嚢が空っぽになるまで絞られて、ようやく締め付けが緩んだ時には息も絶え絶えだ。 「っ……はー…やば……」  腰が軽い。人生で一番長く、大量に出た気がする。そして、熱を放出しきった後の怠さも過去最大だった。  一気に四肢から力が抜けていく。タイル床に大の字になりながら、俺はぼんやり天上を見上げた。 「おじさーん……いきてますゥ……?」 「……ん…」 「いきてますねー……つーか、気絶してますねー……」 「すー……すー……」  俺の上にどっしり乗ったままの男は、いつの間にか健やかな寝息を立てていた。衰弱しているところにあれだけ動いたら当たり前だ。しかし苦しそうな様子はなく、心なしか肌艶も良くなった気がする。  賢者タイムで冷静になったところで、考えなければならないことはいくらでもあった。しかし―― 「あ゛ー……つかれた……」  疲れすぎて脳味噌が働かない。今夜はイレギュラーな出来事が起きすぎたし、単純に体力の使い過ぎ。正直このまま寝てしまいたいが、上に巨体が乗っていてはそうも行かないので、渋々怠い腕を動かす。 「よい、せっと」 「ゥ゛う…っ」 「重っ……うわ、何この量、引くわー」  すやすや眠る男をごろんと退かせた。拍子に、萎えた俺の息子がずるんと抜けて、白濁がどろどろ溢れてくる。出した本人ながらドン引きの量だった。しかも、どろっとした半固形である。  遠い目になりながら、軋む体をのろのろ起こす。  ざっと互いの体をシャワーで流して、タオルで雑に拭き、傷に軟膏を塗ったところで体力が尽きた。 「もーむり、限界ィ……」  男の隣に寝転がり、手繰り寄せたバスタオルをお互いの腹にかける。濡れた風呂の床が冷たいが風邪を引くほどじゃないだろう。  瞼がくっついて落ちていく。最後に見えたのは、気持ち良さそうに寝息を立てる兎耳男の横顔だった。

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