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4.火花散る(6)
「まだ、彼女じゃねーし」
顔を真っ赤にしながら、顔を背けてる雅春。
「えー、だって、一緒に帰ってたり、デートも行ったんじゃねーの?」
「行ったけど、まだ、OKもらってねーもん。」
拗ねてる雅春がずいぶんと可愛らしくて、プププっと笑ってしまった。
「要、笑うか?普通。」
ぶすっとしてるから、和人じゃないけど、頭を撫でたくなる心境が、すごくよくわかる。
「わりーわりー」
ニヤニヤしてるせいか、
「全然、悪いって思ってねーだろ」
やっぱ、お前ら、ムカツク、そう言ってどんどん歩いてく。
「そういう和人はどうなのよ?」
雅春の後を追いながら、露店を見て歩く俺たち。
「俺?彼女とかは、いいや」
「なんだよ、それ」
和人は、中学時代はサッカー部のキャプテンで、そこそこモテてた。でも、当時、つきあってる子とかはいなかったはず。
「んー?俺、年上好きだし」
「何、まさか、雅春のライバル?」
ニヤニヤしながら突っ込むと、
「あー?俺、熟女好きなんで」
「……えーーーーっ!?」
「うっそぴょーん」
そう言うと、先を行く雅春のほうに走って行った。
まったく。
楽しそうな二人を見てると、俺も、あいつらと同じ高校に行ってたら……という思いが一瞬だけよぎる。確かに、あいつらといたら、それはそれで楽しい高校生活は過ごせたかもしれない。でも、ふっと、頭に浮かんだのは。
柊翔の笑顔。
そう。柊翔との再会はなかったかもしれない。
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