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5.夏の終わり(4)

 火照った顔が落ち着いた頃、部屋を出た。  先に出ていた柊翔が、リビングでおばさんと話しながら、浴衣を受け取っている。 「あら、要くん、似合うわ~!」  ニコニコと嬉しそうに微笑むおばさんが、さっそくスマホを取り出して、 「さっ、そこに立って!」  そう言うと、俺の浴衣姿を撮りだした。 「やーん。もう、これでお母さん、元気になっちゃうわよ、きっと」  俺に見せてくれた画像は、おばさんが言うほど、上手くは撮れてなかったけど、少しは母が喜んでくれるならいいな、と思った。 「柊翔、お前も一緒に撮るからっ!ほらっ、並んでっ」  いつの間にか浴衣に着替えた柊翔をつかまえると、俺たち二人の浴衣姿も撮ってくれた。 「わ、柊翔のほうがかっこよく写ってる!」 「そうかしら?おばさんは、要くんのほうがいいと思うわよ?」 「俺もそう思う」 「あらっ!珍しく、お母さんと意見が一致したわね!」  おばさんはウフフと笑いながら喜ぶと、「記念にね♪」と、俺にも画像をメールしてくれた。

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