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第一章・2

 はぁ、と露希はため息をついた。  前までは、Ωのフェロモンで多少の見た目はごまかせたのだが。 「もうダメ。今夜は具合悪い」  メインストリートから離れた路地裏奥で、露希は横になった。  拾った新聞紙に丸まって、震えながら眠ろうとがんばった。 「ダメ……、寒い。気持ち悪い……」  それでも何とかまどろみかけた時、突然わき腹を蹴られた。 「おい、ここで勝手に寝るんじゃねぇ」 「う……」 「見ない顔だな。よそ者かぁ?」  髪はオールバックに固めてピアスを着け、派手な服装の青年が、子分と思われる男数人と立っている。  半袖から覗く腕には、ご丁寧にタトゥーまで施してあった。

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