13 / 100

第二章・4

 シャワーを終えて出てきた外山は、半田たちを従えて夜の街へと繰り出した。 「神崎。お前はどうする?」 「このお荷物抱えてでは、遊べませんからね。今夜は、遠慮させていただきます」  まだ眠っている露希を背負って、誠は駐車場へ向かった。  後ろのシートに彼を寝かせ、自宅マンションへ向かって車を走らせる。  信号待ちをしているところに、後部座席から細い声が聞こえて来た。 「う、うぅ。気持ち、悪いよぅ……」 「何?」  体をひねって後ろを見ると、少年は両手で口を押えて呻いている。 「おい、待て。まだ、吐くな」  慌てて路肩に車を止め、誠は露希を支えて外へ出た。 「う、けほっ。っく、うぅう。あぁう……」  地面にしゃがみこむと、露希は咳き込んだ後に吐き始めた。  街灯に薄く光り糸を引くそれは、おそらく飲まされた男たちの精液だ。  ずいぶん長いこと、露希は吐いた。  ずいぶん大量に、吐いていた。

ともだちにシェアしよう!