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第三章 切ないキス

 露希は、ゆっくり瞼を開けた。  温かい。  柔らかい。  胸が切なくなるような心地よさを、全身に感じていた。 「ん……?」  身をよじって周囲を見渡すと、そこは寝室のようだった。  ふかふかの、大きなベッド。  でもそれは、昨夜の地獄のようなホテルのものではない。 「僕、どうしちゃったんだろ」  ヤクザの偉い人に、怖いペニスでいじめられて、気を失った……、よね?  その後を、よく思い出せない。  でも、誰かが傍に居てくれたような気がする。  ずっと付いていてくれて、優しくしてくれたような気がする。

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