18 / 100

第三章・2

「ここ、どこ?」  体や髪からは、いい匂いがする。  そういえば、あの優しい人がお風呂に入れてくれたような……。  ここは、その人の家なんだろうか。  だったら、いきなり乱暴なことはしないだろうと、露希はベッドから起き出した。  体には、ぶかぶかのパジャマが着せてある。 「あの人の、パジャマだ」  眠っている僕に、着せてくれたんだ。  そう思うと、露希は男に会いたくなってきた。  そっとベッドから降りると、遮光カーテンでまだ暗い部屋の中を歩いてドアを開けた。

ともだちにシェアしよう!