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第三章・3

 角を曲がると、広いリビングに出た。 「わぁ……」  そこには、ゆったりとしたソファが3つも置いてある。  中央には、ガラス天板のテーブル。  ふんだんにあしらわれた観葉植物に、華やかな熱帯魚の踊るアクアリウム。  広い窓から差す明るい光が、それらを素敵に輝かせていた。  そして……。 「いい匂い」  リビングの奥にはダイニングキッチンが広がり、そこから香ばしい匂いが漂ってきている。  途端に、ぐぅと鳴る、露希のお腹だ。  ふらふらと匂いにつられてキッチンへ行くと、そこには背の高い男がエプロンを着て立っていた。 「起きたのか」 「あ、えと。あの……」  お腹すいた、と思わず口走った露希を、誠は愉快に笑った。 「昨夜から、そればかりだな。椅子に掛けて。今、ブランチの準備ができた」  誠の笑顔は、優しかった。

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