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第四章 お風呂でナニするの?
「結局、キスだけで終わっちゃった」
翌朝、ベッドの中で露希は唇を尖らせた。
誠さんに、愛してもらえると思ってたのに。
『だいぶ、上手になったな。今夜は、この辺でもう寝よう』
「上手なキス、って。キスにテクニックがあるなんて、知らなかったよ」
これまでの相手は、情に任せて、欲に任せて、ただ貪って来ただけだったのに。
だが、誠はただクールに、相手の悦ばせ方だけを教えてきた。
溜息をつくと、露希はパジャマを着替えて顔を洗い、歯を磨いてキッチンへ行った。
そこには昨日同様、誠が朝食を準備して待っていてくれた。
「昨夜はよく眠れたか?」
「唇が、腫れぼったい」
ははは、と誠は笑った。
「散々、キスの練習をしたからな。どうだ? 復習してみるか?」
エプロン姿のまま、誠の顔が近づいてきた。
「ん……」
露希は、誠に応えてキスをした。
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