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第六章・3

 すぐに、逞しい腕が露希を支えた。  あったかい、腕。  広い、胸。  僕を抱きかかえてくれる、優しい人。 「ほら、まだふらふらしてる」 「ごめんなさい」  誠は大切に露希をベッドに横たえると、歯ブラシなど一式持って来てくれた。 「汚れた水は、このボウルに吐いていいから」 「ありがとう」  淡々と歯磨きをし、おとなしく横になった。  何だか、体から力が抜けてる。  それに、眠い。 「誠さん、僕が寝るまで傍に居てくれる?」 「いいよ」  露希は、掛布から誠に向けて腕を伸ばした。  すぐに、その手を握ってくれる、大きな手のひら。  露希は、瞼を閉じた。  早く治して、遊園地に行くんだ。  誠さんと一緒に、行くんだ。

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