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第七章 忘れられない遊園地

「ね! 誠さん、ジェットコースター乗ろう! ジェットコースター!」 「待て! いきなりそれは、ないだろう!」  露希の発熱は一週間ほど続いたが、それが引くと途端に元気になった。  念願の遊園地に誠と一緒にやって来て、遊ぶ気満々なのだ。 「一時間待ち、かぁ。人気のアトラクションなんだね」 「待ってなさい。何か買ってきてやる」  戻ってきた誠の手には、コーンに乗ったアイスクリームがあった。 「アイスだぁ♡」 「大げさだな」 「ううん。何年ぶりだろ、食べるの」  嬉しそうに冷たいアイスを舐める露希は、どこにでもいる普通の少年に見える。  だがその奥底には、いっぱいに溜まった涙の海があることを誠は知らされた。 「美味いか?」 「うん!」  上納金を収めるまで、あと一ヶ月切っている。  そして露希は、連れて行かれる。  誠の胸は、締め付けられた。

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