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第七章・3

 かたん、かたん、とジェットコースターはゆっくり昇って行く。 「あぁ、もうドキドキして死にそう!」 「なぁ、露希。もう今から降ろしてください、って言ってもダメなのかな?」  頂点へ昇りつめたコースターは、やがて物凄い勢いで下り始めた。 「わぁあああ!」 「……!」  地面へ突き刺さるくらい落ちた後には、捻じれ、また天まで上昇し、回転する。  再び落ちて、急上昇し、ぐるぐる回る。 「わぁあ! すっごい、楽しい! うぁあああ!」 「……!」 「ね! 誠さん、面白いね! ね、誠さん!」 「……!」  やがて嵐のようなコースターはその役目を終えて、静かにターミナルへと戻ってきた。 「あ~、怖かった! でも、誠さんはすごいね。僕いっぱい悲鳴上げたのに、誠さんは全然声出してなかったもん!」 「……、まぁ。大人だからな」  その実、あまりの恐怖に声も出せませんでした、とは口が裂けても言えない誠だ。 「ね、もう一回乗ろうよ!」 「いや、少し休もう。ゴーカートなんかどうだ?」  ふらつく足取りで、誠は露希をジェットコースターから遠ざけた。

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