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第八章 恋をしました

『フェラもやらせてみたが、自己流だ。もっと腕を磨かせろ。お前が仕込んでやれ、いいな』  誠は、そんな外山の言葉を思い出していた。  ベッドの上では、パジャマの露希が誠の脚の間に顔を埋めている。  そのペニスを手に取り、愛おし気に愛撫してくれている。 (確かに自己流だ。しかし……)  しかし、心がこもっている、と誠は熱い溜息をついた。  露希を預かってから、もうすぐ一ヶ月。  ふれあいの日々は、露希の心身をすっかり健康にしていた。  もう、あの頃の痩せた野良猫ではない。  組長の前に出しても恥ずかしくないほどの、色艶を持っている。 (しかし、あと10日。あと10日で、露希は親父さんの元に贈られる) 「露希」 「ぅん?」 「裏筋は、一本一本ていねいに舐めるんだ。できるか?」 「解った」  誠のいいつけを、素直に飲みこみ実践する露希。  そうすれば、誠が悦ぶと思っているのだ。

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