70 / 100

第八章・5

 いつもと違う。  そう感じているのは、露希も同じだった。 「ん、んぁ。はぁ、あ。っふ、ぅん……!」  いつもなら、キスを終えると改良点を教えて来る誠が、そのまま舌を身体に滑らせてきたのだ。  首筋を強く吸い、鎖骨を噛んで、小さな乳首を夢中で吸っている。 「あ、あぁ。誠さん? ま。こと……さんッ!」  ぷっくりと腫れた乳首は、可愛いピンクから艶のある紅色に染まる。  そこを細かく食まれ、露希は甘い悲鳴を上げた。 (何? 誠さん、いつもと違う……!) 「誠さん!」  露希は誠の髪に指を差し入れ、かき抱くように身体を擦り付けた。  途端に立ち昇る、濃厚な甘い香り。 「は!」  誠は思わず露希から唇を離した。 (……フェロモンだ。Ωのフェロモンを、露希は放ってるんだ!)

ともだちにシェアしよう!