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第九章・7

 夜、ベッドの上で露希は誠に口づけていた。  甘くて、情熱的なキス。  そっと唇を離し、誠の言葉を待った。 「OK、100点満点だ。巧くなったな、露希」 「やったぁ!」  にこにこと笑いながらも、心の中には冷たい雫が落ちている。 (僕は、誠さんのために。誠さんのためだけにキスしたのに)  だのに、誠はそれに優劣をつける。  組長が悦ぶかどうか、テクニックが上がっているかどうかでしか、受け止めてくれないのだ。 「じゃあ、次はフェラだ。やってみて」 「うん」  露希は誠のバスローブの裾を割って、脚の間に潜り込んだ。  舌を、唇を使って、誠のものを愛撫する。 「うん、いい感じだ。こっちの方も、すごく上達してるぞ」 「ぅぐ」 (いつか、誠さんを追い詰めたいな。フェラでイかせられるほど、巧くなりたいな)  夢中で奉仕する露希を見下ろしながら、誠はまた別のことを思っていた。

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