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「ああ、…あ、ふ。孝弘、ん…、いい…っ」  前も後ろも同時に刺激されると体がきゅうっと絞られて、孝弘の指を締めつける。 「祐樹、かわいい。好きだよ」  囁きながら耳を甘噛みされると体がぴくっと跳ねた。  孝弘のいたずらな指によわい場所を何度も擦られて、頭のなかが熱くて溶けそうになる。足ががくがくして立っているのがやっとになって、孝弘の腕にすがりついた。 「あ、あっ、あーっ……孝弘、や、もう…。…っ…たかひろ、やっ」  切羽詰まった声で、祐樹が音をあげる。 「いっていいよ」 「いや、だ。一緒が、いい」  ぬるぬると乳首をいじられる快感で極めそうになるが、ひとりではいやだった。 「欲しい、来てよ」  切なく求めると、情欲でうるんでいた孝弘の目が光った。  凶暴な気持ちが芽生えたようにも見える。めちゃくちゃにしたいという声が聞こえた気がする。 「…知らねーぞ。祐樹、向こうむいて」  祐樹の体を反転させて、シャワーブースの小物棚に手をかけさせた。じゅうぶんほぐれていたそこに、昂りきった熱を押しあててぐっと体を進めてくる。  熱い粘膜が孝弘を包みこみ、祐樹はあごをすこし上げて喘ぐように短く呼吸する。うなじに吸い付かれながら、腰を揺らされると祐樹のなかが収縮して絡みつく。 「あー、まじでこれ、気持ちいい」  立ったまま隘路を開かれて、祐樹の背中を電流のような快感が駆け上がった。 「ああっ、あ、…ふ、んん。あっ」  祐樹の声が切なげにブース内に反響する。  孝弘はしっかり祐樹の腰をつかんで、抉るように何度も突き上げた。  逸る気持ちのまま貪っているようで、祐樹は抵抗せずに孝弘の力強い律動に体を任せている。  体内に籠もる熱が耐えきれなくなって一点に凝縮されていくのが、ぞくぞくするほど気持ちよかった。うなじを甘噛みしながらもっと奥まで開かせようと押し入ってくる。  祐樹はあまい声を上げて、ゆるく首を振った。  もうとろとろに濡れた性器は孝弘の手のなかでどくどく脈打っている。 「めちゃくちゃ、いい。祐樹、祐樹」 「あ、おれ、も。…あっ、もうっ…っ、ああっ」  ほとんど同時に熱を放ったあと、つながりを解いてシャワーブースの床に座り込んだ。足ががくがくして力が入らない祐樹に、背中から抱き寄せた孝弘がやさしく触れるだけのキスをした。

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