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春海の覚悟 第58話(春海)※

「ん゛っ~~~~!?」  春海は村雨の指が入って来る感触に、思わず叫びそうになり口を押さえた。    ……ホントにそこ使うんだ……  準備をする時に一応頑張って突っ込んでみたけれど、自分の指と村雨の指では全然違う……  生々しい感触に、変な声を出してしまいそうで奥歯を噛みしめた。    「痛い?」 「……ん……大丈夫です……」 「我慢しなくていいから、痛かったらちゃんと言ってくださいね?」 「い……痛くはないけど……なんか変な感じで……ぁんっ」  そんなところ、他人に触られて気持ち悪いはずなのに、なんだか……  村雨さんの指が動く度に、内壁が擦れて……時々ビリッと電気が走ったような感覚になる。   「春海さん、だいぶ頑張ってほぐしてくれてたんですね。もう2本入ってるよ。わかる?」 「ふぇ?……っ……んっ……はぁ……っ」  2本?……って、何が?  恥ずかしいとか、気持ち悪いとか、気持ち良いとか、いろんな感情が混ざってもう何だかよくわからない。  自分の中に村雨さんの指が入っていると思うと、頭がクラクラする……  ぅ~~~そんなにかき回さないでぇ~~~っ!! 「――もう大丈夫かな……春海さん、挿れますよ。力抜いてね」 「えっ……っあ゛っ!?……~~~~~っ!!」  ズルっと指が抜かれたと思ったら、指よりも太くて熱いモノが入って来る感覚に息が詰まった。  あっつっ……!?  え!?嘘でしょっ!?そんなの入らないって!!!  無理無理無理ぃいいいいっっ!! 「きっつ……春海さん大丈夫?痛い?まだ全部は入ってないんだけど……」  村雨の声が聞こえるけれど、返事をする余裕がない。  痛いわけじゃないけれど勝手に涙が溢れて来る。  目の前がチカチカと瞬いて身体が小さく痙攣した。  少しでも動けば裂けそうなくらいギチギチだ。  ……なのに、まだ全部は入ってないの!?  いやいやいや、もう無理ですっ!!  これ以上入らないですってばっ!!  本来ならばあり得ない異物が挿入されているという違和感と圧迫感に声も出せない……  怖いっ……!!苦しいっ……!!なにこれ、どうすればいいの!? 「春海さん、こっち見て。馴染むまで待つから、ゆっくり呼吸してみてください」 「ぁ……っ……っ!?」  息!?息ってどうするんだっけ!?    村雨がパニックになりかけていた春海の顔を優しく撫でて人工呼吸のように小さなキスを繰り返した。 「ふ……っぁ……」  春海は村雨のキスでようやく呼吸ができるようになった。  村雨は春海が落ち着いてきたのを確認すると、少し身体を起こした。  その時、春海の顔にポタリと雫が垂れた。  え……?  さっきまで影になっていたのでよく見えなかったけれど、村雨の額に大粒の汗が浮かび、それが頬を伝って顎から滴り落ちていた。  村雨の眉間に小さく皺が寄る。  苦し気な表情から必死に理性を保とうとしているのがわかった。  あぁそうか……わたしに負担かけないように我慢してくれてるんだ。  こんなに大きくしてるんだから、本当はもっと激しく動きたいはず……  男同士でも、村雨と春海では力の差は歴然だ。  村雨なら、強引に押し倒して欲望のままに襲うことなど簡単にできる。  だけど、それをせずに春海を気遣ってゆっくりと進めようと努力してくれている。  春海を大事に思ってくれているのが嬉しい。  そして、何よりも村雨が春海を抱いてはち切れんばかりに興奮してくれていることが嬉しかった。  だから…… 「村雨さ……んっ……動いて……」 「いいの?無理だったら一回抜きますよ?」 「ん、大丈夫……っ」  村雨がゆっくりと腰を動かす。  まだ圧迫感はあるけれど、息をする余裕が出来たのでまだマシだ。    う……わ……なんか出たり入ったりしてる……  本当に村雨さんのモノが中に入ってるんだ。 「村雨さん……ぁっ……気持ちい?」 「ん?うん、俺はめちゃくちゃ気持ちいいですよ。気ぃ抜いたらすぐイっちゃいそう……っ」 「良かったぁ……」  村雨の言葉に安心した途端、奥の方がキュンと疼いた。  今のなに……?なんか……   「っ春海さん、もうちょっと激しくしてもいいですか?無理?」 「いい、ですよ……我慢しなくていい……からっ……ぁんっ」 「ありがと。あ~……先に言っておきます。もし俺が理性飛ばしちゃったら、殴って止めてくださいね」 「ん……は、い……」  村雨さんが理性飛ばす前に……わたしの意識が飛びそうですけどっ!!!  村雨が、春海の額にチュッとキスをすると、上半身を起こしてグッと中に押し入って来た。  体勢が少し変わったせいで、当たる場所も変わった。  指で刺激された時になんだか変な感じがした所にも当たる。  村雨の動きが激しくなり、狙ったかのようにソコを刺激してくる。 「あアっ!?や、待っ……あんっ!」 「ん?痛い?」 「ちがっ……あ、そこダメっ!!なんかへん……ぁっ!!」 「ココ?気持ちい?」 「んっ……わかんな……いっ」  本当にわからない。  この感覚が何なのか……  ただ、そこを擦られる度に電気が走ったみたいになって中がキュッとなる。 「っ……春海さんココ気持ち良いんだ?すごい締めてくるね……っあ~ヤバい……イキそう」 「あぁっ!!や、そこばっか……やだぁっ!!……はっ……ぁア……」  気持ちいい?  たしかに気持ちいいけど……  それよりも初めての感覚に戸惑ってしまう。    自分の身体がよくわからない。  抑えようとしても勝手に漏れてしまう声、  突かれる度に勝手に反応する身体、  自分のものじゃないみたいで、怖い……! 「……っ!?」  その時、村雨が春海をギュッと抱きしめてくれた。  村雨の体温に、さっきまでの不安が少しずつ溶けていく。  あったかい……  あやすような口付けに、背筋や腰がゾクゾクしてきて、下腹が熱くなってきた……  正直……中が気持ち良いのかなんてまだよくわからない……  でも、村雨さんの体温が、身体に触れる手が、キスが……気持ちいい。    もっと抱きしめて欲しい。  離れたくない…… 「はぁ……っ、村雨さ……っん……村雨さんっ!!」 「春海さん、可愛い……好きですよ」 「んぁっ!!……て……もっと、キス……してっ――」 「律……律、大好き……愛してる!――」  村雨がうわ言のように春海の名前を呼んで愛を囁く。  優しい低音と熱い吐息が耳朶にかかる。    わたしも……好き……大好き!!  声に出したいのに、口から出るのは嬌声ばかりで、途中からはもう頭の中が真っ白になって村雨にしがみついていることしかできなかった―― ***

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