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11.求めたその先(2)
* * *
満足じゃない場合はどうしたら――。
そう口にしたジークに、アンリはふっと表情を和らげた。
「黙って私に従えばいい」
笑顔に反して、高圧的ともとれる言葉に、ジークは思わず閉口する。
釣られて浮かべた笑みが凍り付き、辛うじて絞り出したのは「え……?」という掠れた声だけだった。
それを聞いてか聞かずか、アンリは僅かに目を細め、そのままジークの両脚を抱え上げようとする。
「っ?! え、待っ……!」
ジークはとっさにアンリの腕を掴んだ。ふるふると首を振り、「なに、を……」と声にならない声を漏らした。
「これは治療だと言わなかったか」
暗に大人しくしろと脅されたような気分になり――そのくせ火照ったままの身体が疼いて、ジークは何も言えなくなる。
その様子にアンリは面倒臭そうに吐息して、それならとばかりにジークの身体をひっくり返した。
そうして、されるままに俯せになったジークは、次には腰を引き上げられて――。
(こ、こんな格好……っ)
羞恥に身が竦み、眼前にあったクッションに顔を押し付ける。
逃げたい。
消えたい。
もう解放して ほしい。
心底思うのに、まるで催眠術にでもかかったかのようにアンリの言葉に逆らえない。
それどころか、さらされた谷あいはいまだてらてらと濡れ光っていて、奥底に熱を灯したままの腰は誘うように揺れてしまう。出したばかりだと言うのに一向に萎えない屹立も、座面に擦れるだけで再びとろとろと蜜をこぼしていた。
「あ……!」
待っていたように、アンリのそれが狭間を滑る。あてがわれた先端に滲んでいた体液と、ジークが纏うそれが混ざり合い、泡立つような水音が聞こえ始める。
狙いを定めたいのか定めたくないのか、焦らすように表層を撫でては離れるその動きに、知らず強請るような吐息が漏れた。
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