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【閑話】お菓子をあげるから/ラファ×ギル(11)
(久々だったからって……)
ちょっとやりすぎたかな。
思うけれど、反省はしていない。
だって本音ではまだ足りないのだ。
それくらい、あなたが欲しい。
あなたも同じくらい僕を求めてくれたらいいのに。思いながらも、いまの関係が心地よくもあるから複雑だ。
あなたは僕の恋人ですよ。
言ったところで、あなたは「寝言は寝てから言え」としか言ってくれない。それは分かっているけれど、そんな僕の気持ちを――この関係を、心から嫌がっていないことも確かですよね。……まず認めようとはしてくれないですけど。
そうかと言って、無理矢理認めさせようとするのは逆効果……。追われれば逃げたくなる気持ちは僕にだって分かります。
だから僕は、あえてそういうふりをする。別にどっちでもいいみたいに、時に気のないような、突き放すような態度をとるようにしている。
でもそれは別に、あなたに遠慮してるからじゃないんですよ。躊躇っているわけでもないんです。
僕はただ――。
「一番効果的なタイミングを計っているだけですから」
今更のように言葉の続きを囁いてみたけれど、深い深い夢の中にいるあなたの耳にはきっと届かない。
「……おやすみなさい」
子供みたいな寝顔を見下ろしながら、その額にキスをする。
ギルベルト。
そんなあなたが好きですよ。
ごちそうさまでした。
|お菓子をあげるからイタズラさせてください《H a p p y H a l l o w e e n !》。
(次ページから本編に戻ります)
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