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♥【閑話】きりかぶの上で/ラファ×ギル(4)
「何、言っ……――あ! も、触……っ」
けれどもその一方で、|滑《ぬめ》りを帯びた指先は再び狭間へと戻され、かと思うと|躊躇《ためら》うことなくあわいを割られる。次にはさらされた窪みの具合を確かめるように躙られて、たちまちその中心を開くように爪先を埋められそうになった。
「いっ……てぇ、つってんだろ!!」
ぴり、と走った引き攣るような痛みにギルベルトは目を眇め、どうにか肩越しに振り返る。にもかかわらず、
「……硬いですね」
「はぁ……?!」
ラファエルはただしげしげと自身の手元を見つめながら、わざとらしく同じ動きを繰り返すだけだった。
「も、やめろ、ボケ!」
「やぁ、本当にこっちは使ってないんですね」
「は……?! あ……っ当たり前だ!!」
ギルベルトは身体が軋むのも構わず声を張った。
けれどもラファエルはやはり涼しい顔で、どころか、にこりと優しく微笑むのだ。
「へぇ……。じゃあ、あなたのここに最後に触れたのは、僕ってことでいいですか?」
「何でだよ! 俺だよ! 俺の身体なんだから!! 風呂でもなんでも――」
「……そういう意味じゃないです」
ギルベルトは自分なりの正論をさも当然のように口にする。
それをラファエルが笑顔で阻む。
「もういいです」
「あぁ?!」
腑に落ちないギルベルトが、浮かべた疑問を逆ギレ気味にぶつけるが、ラファエルはにっこりと笑みを貼り付けたまま、次には触れていた窪みへと唐突に指先を潜り込ませた。
「いぃ、っ――!!」
「ほんと、|狭《せま》……」
「っは……、待……おまっ、マジばかだろ! や、やめろ、指……いぃっ……!!」
ギルベルトが必死に首を振るのに、構わずラファエルは更に指を増やす。
潤滑が足りないと思えば自分の唾液を少量垂らし、その冷たさと感触にギルベルトが「ひっ」と声を漏らせば、それすら楽しいみたいに目を細めた。
……可愛いなぁと心の中で微笑みながら。
「つーか……! そもそも俺さまはちゃんと話しただろうが! とっとと|解放しろ《はなせ》よ!!」
「ここで僕が放すと思いますか?」
「おま……それ嘘、――」
「いいからほら、少しはあなたも|力抜いて《協力して》ください」
「いいからって、……」
あくまでも平然と答えるラファエルに、今更ぞっとしたのはギルベルトだった。
「お……お前、何か、怒って……」
「僕じゃない誰かのせいでこんなになって……」
「いっ……や、だから、それはそういう、種族特……ぁ、待っ……!」
「本当に、あなたって人は……」
「やめ、お、おい、ちょ、……いぃっ……聞けよ、こら……っ!」
「種族特性だろうがなんだろうが、僕って|恋人《もの》がありながら、それを嬉々として受け入れてですね……しかもそれをあわよくば利用してやろうっていう魂胆がね……」
好き勝手に動いていたラファエルの指が、今まで一度も触れなかった《《そこ》》を、ともすればあえて避けていたのかもしれないその場所を、
「やっぱり許せないんですよね」
「や、そこ、待っ――ぁ、ああぁっ!!」
次の瞬間、唐突に強く押し上げてきて、ギルベルトは悲鳴染みた嬌声を上げると共に、びくんと大きく背筋を|撓《しな》らせた。
と同時に、触れられてもいない下腹部が弾け、飛び散った白濁が遅れて切り株の側面を伝い落ちていった。
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