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隠した心5

「ひ、久しぶりのベッド…」 家に帰れることになり、フラフラになりながら念願のベッドへダイブする。 キツかった。 こんなの、別でドンパチやってる時の方がまだ余裕がある。 頭とか目とか首とか肩とかがギシギシと痛んで、寝ていないせいかフワフワした感覚に吐き気がした。 もう嫌だ。二度とあいつの頼みは聞きたくねぇ…。 心からそう感じながら、俺は死んだように眠りについたのだった。 温かい。 何かに包まれている。 なんだかそれは、ひどく懐かしく感じた。 恋しささえ感じて、その熱に身を乗せキュッと抱きつく。 この熱は、俺を守ってくれる熱だ。 顔を埋めると、ふわりと香ってきた香りに安心する。 「お疲れ様、真志喜」 額に何かが触れた感触があり、それからまた、すっと深い眠りに落ちていった。

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