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大好きな人

地獄のデスク仕事が終わって3日後、俺は休暇を取ることになった。 そして迅のやつも休暇を取ったといって、「仕事を手伝ってくれたお礼がしたい」などあれやこれや言いくるめられ、気付けば2人でショッピングモールにやって来ていた。 こいつと2人でなんて、なんの罰ゲームだ。 どうせ来るのなら、彼方さんとかと来たかった…。 「で。こんなとこで何すんの」 「もちろん。真志喜に何かプレゼントするんだ」 そう言って笑う顔は本当に楽しそうで、なんだか居た堪れなくなる。 いつもはスーツ姿の俺と迅だが、今日はもちろん私服なわけで、なんだか不思議な感じだ。 昔はよく、迅のお下がり着てたっけな。 特にオシャレとかに関心がなかったから別に構わなかったけど、新しいお下がり着るたびに迅は喜んでた。 「真志喜、服を見に行こうよ」 「えー…」 別にいつもはスーツなんだからいいじゃねぇか…。 そんな抗議にも聞く耳を持たず、俺は迅にズルズルと連れていかれるのだった。

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