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大好きな人4

「いらっしゃ……おお、迅、真志喜。久しぶりだなぁ」 そう言って笑顔で出迎えた彼、三浦凪は、ひどく繊細で整った顔立ちをしていた。 クセのない髪や白い肌、切れ長の瞳は美しく、一瞬で相手を魅了する。 スラリとした体のラインも、それだけで色気を感じさせるようだ。 「凪さーん!お久しぶりです!」 「うぉっ」 殆ど突進する勢いで凪に抱きついた真志喜に、ひくりと迅の顔が引きつる。 なんとか真志喜を抱きとめた凪は、さらに笑みを深めてその頭を撫でた。 「ほんとだよ。元気にしてたか?迅も変わりねぇ?」 「はい。なんとかやっていますよ」 話を振られ、やっと迅は動き出せた。 カウンターの椅子に座って、「ブレンド、お願いします」と凪に告げる。 「あいよ。真志喜は?何にする?」 「カフェラテがいいですっ。凪さんのラテ、大好き!」 そう言って凪さんに一層抱きつく真志喜。 真志喜がこうして心から甘えるのは、彼にだけだ。 いつものナンパとも違い、まるで子供のようにべったりになる。 彼は若頭補佐である清さんの弟さんで、俺の高校時代の2つ上の先輩だ。 今はここでカフェを経営しており、ヤクザとは無関係の生活を送っている。 まだ真志喜が誰に対しても警戒心が強かった頃。 本邸にやって来た凪さんに、偶々風呂場へ行くため外に出てきた真志喜は鉢合わせてしまった。

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