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大好きな人7

駐車場に車を止め、エレベーターに乗りすぐさま部屋へと連れていかれる。 だだっ広い部屋を見回す余裕もなく、入った途端に唇を塞がれた。 「ちょ、盛ってんじゃねぇよ!発情期の犬か!」 「お願い、拒まないで…」 「っ…、だーかーらー…!」 迅のこういう縋るみたいな行動は苦手だ。 いつもみたいに拒絶しきれなくなる自分がいる。 1人困惑していると、扉に押し付けられ耳を舐められた。 ゾクリとした感覚に襲われ、咄嗟に迅を突っぱねる。 「おいっ。耳、やめ…っ」 「真志喜、ここ、弱いもんね」 「うるさい…っ」 というかいきなりするなんて聞いてないし、するにしたって風呂とかいろいろ…。 「お風呂は後でふたりで入ろ」 「誰が入るか…!…うわっ」 ひょいっと抱き上げられ、寝室へと直行。 いくらなんでもがっつき過ぎだ。 「おいっ、迅!」 「いい子だから…。気持ちよく、してあげるから。…ね?」 「なに。マジでお前、どうしたの?」 「……ただのヤキモチ」

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