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陽だまり
中学高校と、俺は誰かに喧嘩を売られれば買う毎日だった。
だから初めは寄って来ていた連中も距離を取り出し、必然的に周りからは不良扱いされていた。
まぁいつも何処か怪我していたし、目つきが悪いという自覚はあったし、正嗣曰く「オーラから何からが尖りまくってた」らしいので無理はない。
何より俺は日南組で育てられている。
要はヤクザの子供という立場だ。
それら全てが相まって寄り付く相手もおらず、友人と呼べる人間ももちろんいなかった。
俺自身、そういう存在はよく分からなかったし、特に寂しさを感じたことはない。
“あの頃”に比べたら、俺は十分、恵まれているのだろうから。
その日もフラフラと1人帰り道を歩いていた。
特にしたいこともないし、無気力に道を歩いて行く。
「いいじゃねぇか。金よこせってデブ」
「どーせいっぱい持ってんだろ?」
その時、ふと聞こえた声に顔を向ければ、同じ高校のやつらが3人。
2人が1人を取り囲んで、見るからに絡んでいる。
というか、金をたかっている。
たかられている男子生徒は、見るからに怯えて今にも泣き出しそうだった。
その膨よかな体を小さくして、ブルブルと震えている。
こういうのを無視して行くのは気分が悪い。
無言で眺めていた俺は、何の気なしに「おい」と彼らに声をかけた。
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