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陽だまり8

凪さんの家に向かう間、彼は俺に何も聞こうとはしなかった。 そして家に着くなり「手当てしてもらったけど、体、洗いたいだろ?」と風呂に入るよう促され、傷がしみるのを堪えながら体を洗った。 風呂から出れば、「ジイさんから貰っといた」と薬を塗り、ガーゼを貼り、包帯を巻いてくれる。 「はい、終わりっ」 「……すみません…」   なんと言っていいのか分からず弱々しく謝罪すると、彼は困ったように笑って「そこはありがとうだろ?」と俺の頭を撫でた。 「ご飯にしようか。作り置きだけど、用意があるから。米は炊いてあるし、真志喜が風呂入ってる間に用意しといたぞ」 「すみません…」 「だーかーらー」  「……ありがとう、ございます…」 凪さんは苦笑いを浮かべ、俺を椅子に座らせる。 そして台所から持ってきた料理を並べ、俺の向かいに腰を下ろした。 凪さんは清さんと同じように料理上手だ。 味も同じで、彼らの家の味なのだなと感じる。 「お前のとこに連絡はしといた。明日になったらちゃんと帰れよ」 「……はい」 また謝りそうになって口をつぐむと、凪さんは俺に微笑みかける。 「お前は子供なんだから、遠慮しないで甘えればいいんだよ」 さ、食べよーぜ。と手を合わせてから箸を手に取る凪さんを見つめ、やがて俯いた。 「……俺には、甘える資格なんてありません」 「え?」

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