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守りたいもの12

それ以上は話を広げようとせず、迅は服を脱ぎ出す。 その様子を眺めていた真志喜は、迅が衣服を床に落としたあたりで起き上がり、迅の肩に両手をのせる。 「真志喜…?」 「…ずっとお前にリードされんのは、嫌だから」 そう言って身を寄せてくる真志喜。 前を(はだけ)させたシャツがスルリと肩から滑り落ち、真っ白な肌が露わになった。 一度息を吐くと、真志喜はゆっくり腰を下ろし始める。 熱を帯びた膣内に包み込まれ、堪らず迅は吐息を漏らした。 こうして真志喜に率先して動かれると、初めて2人でセックスした日を思い出す。 その時の自分は思春期であれど、そういったことの経験もない子供であった。 そんな自分は3つも歳が下の真志喜の手慣れた様子に翻弄され、実に惨めな初めてとなったのだ。 あの時の記憶は忘れたくても忘れられない。 でも今はただされるがままではない。 中に入った己のモノが馴染むのを待ってから、ゆっくりと腰を動かし始める。 そうすれば真志喜から甘い声が漏れ出た。 つい笑みをこぼすと、それを咎めるように首元に噛み付かれる。 徐々に揺さぶりを大きくすれば、耳元で真志喜の喘ぎ声が聞こえてきた。 その声に一層熱が高まるのを感じ、堪らず真志喜をベッドに押し倒す。 「ぁ、ぁ、ん…っそ、んな、いきなり…っ」 「っ、ごめん…。余裕、ないや」 「ん、んんっ、は、やぃ…っ」 ピストンがどんどん速まっていき、快感が膨れ上がる。 真志喜の中がキュッと俺のモノを締め付けてくるのが堪らない。 飛びそうになる理性の中で、何度も真志喜の名前を呼ぶ。 そうすれば、縋り付くように真志喜の腕が首に回された。 体をより密着させ、なおもその体を揺さぶり続ける。 「迅…っ、迅…っ」 「…大丈夫。ちゃんと、ここにいるよ…っ」 中の締め付けが一層強くなり、次には真志喜が大きく仰け反った。 放たれた熱を腹のあたりに感じ、その直後に迅も快感が弾ける。 その時になって、そういえばゴムをしていなかったことに気付いた。 付ける前に真志喜が挿れてしまったのだ。 「あ、つぃ…」 そう呟いて身を捩る真志喜があまりに魅力的で、迅は笑みを浮かべる。 「もう1回、しよっか」 「えっ」 その後も真志喜は散々迅に喘がされ、解放された時にはクタクタに疲れ果てているのだった。

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