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ボーイデビュー4
「まぁ、あんなにちゃんとやれてても新人さんには変わりないもんね。何か分からないことがあったらいつでも聞いてね」
「……ハズキくんって、背中に天使の羽が付いてそうだよね」
「へ?」
後光すら差しているように見えるハズキくんに感想を述べると、彼はきょとんとしながら俺を見つめた。
まさかその天使オーラは無意識なのか。
それは恐ろしい子だ。
「ハズキくん。指名入ったよ」
「あ、はい。分かりましたっ」
ホールスタッフの男性から声をかけられ、ハズキくんは立ち上がる。
そして俺に「じゃあ」と手を振ってからテーブル席へと向かっていった。
ハズキくんは、順位でいうと何番目なのだろう。
ボーイの子たちの人気順とか、調べておいた方がいいよな。
常連客の名や、No. 1の子を毎回指名する人物のリストを思い出しながら、俺は立ち上がる。
それになんといっても、ボーイの子たちと交流を深めなくては。
そう。これはあくまで調査のための接触。
だから何も問題はない。
「あの〜っ、お名前なんていうんですか〜?」
無理やり動機付けをして、次には待機室にいるボーイの子たちにアタックしていく。
その光景から真志喜は、すっかりナンパ常習犯として周りに認識されるようになるのだった。
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