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愛情
「今回はお疲れ様でした、真志喜」
「清さーん。もっと労ってー、ギュッてしてー」
「迅にして貰えばいいんじゃないですか」
「ひど…!」
帰って早々清さんの塩対応に落ち込んでいると、向こうから正嗣と並んで歩いてくる人物がいた。
彼は俺に気づくなり優しげな笑みを浮かべてペコリとお辞儀をしてくれる。
「お久しぶりです、真志喜さん」
「彼方さん!」
この数日間、可愛い子たちに囲まれて幸せなひと時ではあったけれど、どの子もピリピリしてる感じは否めなかった(まぁ可愛いから許されるのだけれど)。
その反動もあって、身も心も清らかな彼方さんが数倍愛おしく思える。
ごめん凪さん…っ。
俺の1番があなただということには変わりないけれど、今だけはどうか…!
「今日も変わらず可愛いですねー!どうかこの俺と再会のハグを…!」
「それは魅力的なお誘いだね、真志喜」
「…!!」
その声に全身が硬直し、次には後ろを振り返り眼鏡野郎を睨み上げる。
この男は…、何故いつもいつもこういうタイミングで現れるんだ…!
もうわざとだとしか思えない。
絶対そうに決まってる。
「なんだよ。仕事はどうしたアホ眼鏡」
「手厳しいなぁ。真志喜が戻るまでにちゃんと終わらせたよ。一刻も早く会いたかったからね」
「へー、それはどうもご苦労さん」
迅のことは軽く流していると、彼方さんと目が合った。
すると彼はきょとんとした後、すぐにほわんと笑みを浮かべる。
可愛すぎる…。天使だ…。
エンジェルスマイルだ…。
「もう、好き」
「ほぇっ?」
「おい!真志喜!」
ヒシッと彼方に抱きついた真志喜を、正嗣が目をつり上げ引き剥がそうとする。
ワーワー騒がしくなる中、清は特に慌てる様子もなく淡々と口を開いた。
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