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前触れ6

「すみませんすみません…!本当にありがとうございました…!」 「いやいや、無事でなりよりですよ。ほら、真志喜が暴れるから彼方さん恐縮しちゃったじゃない」 「暴れるってなんだよ!俺は彼方さんを助けようとしたんだ!」 「本当にすみません…!!」 高速で頭を下げまくる彼方を宥める迅と、不貞腐れる真志喜。 その光景をカウンター越しに眺めていた凪は苦笑いを浮かべた。 そんな中で唐突に扉が開きベルが鳴る。 入ってきたのは正嗣と清だった。 正嗣が迅に連絡を取ったところ、案の定の出来事が起きたと聞き、空いた時間を見計らってcalmに訪れたのだ。 「兄さんも来てくれたんだっ」 「私は若頭補佐だからな。きっちりスケジュールを守ってもらうための監視だ」 「おー怖…。同じ若頭補佐でも真志喜と清は別物だな」 「うるせーな!俺だって正嗣の指示であちこち行って仕事してんだろーが!」 シャーッ!と毛を逆立てる真志喜は無視して、正嗣はヒシっと彼方を抱き締める。   「彼方、何もされなかったか?どさくさに紛れて真志喜にセクハラされてないか?」 「心配してんのそこかよ!」 「あ〜、俺の彼方〜」とまるで親バカのようにぎゅうぎゅう抱き締めて頬擦りをする正嗣。 「コイツ、彼方さんへ対する過保護っぷりが上がってねぇか?」 「それは散々真志喜が彼方さんにちょっかいかけてたせいだと思うよ」 「あ゛?誰がちょっかいだゴラァア!」 「いい加減にしなさい。そこのバカ三兄弟」 「「「へ?」」」

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